当社は、エンターテインメント領域で特殊効果演出を手掛けている会社です。元々は私の祖父が戦前の1935(昭和10)年に東京・五反田で工業用ガスボンベを販売する商売を始めたことが始まりで、その祖業は現在でも雨宮産業株式会社(東京・品川)として継続し、2025年には90周年を迎えました。私は同社の取締役でもあります。
酸京クラウドは、雨宮産業にいた父が、特殊効果演出業を開始すべく1970年に今でいう社内ベンチャーで創業しました。演劇やライブのステージでスモークが焚かれたり、銀色のテープが飛び出す演出を見たことがある方がいると思います。こうしたスモークマシンは父が海外から日本に初めて持ち込み、銀色テープ演出も父が初めて考案しました。以来、特殊効果演出のパイオニアとして、日本を代表する劇団や映画会社、芸能プロダクションといった顧客が手掛ける数々のエンターテインメント制作に関わり続けてきています。
特殊効果演出では火を扱ったり高いところに上ることが多く、事故の危険性が常にあります。そうした中でも、「安全・安心・万全」を社是とする当社は創業以来無事故・無違反を続けています。業界全体でも安全力、技術力を高めるため、2021年に一般社団法人日本特殊効果演出協会の設立を呼びかけ、私は理事を務めています。
当社は2025年に設立55周年を迎えます。雨宮産業のように、当社も長く続く企業にしたい。そして、いつしか100年続く企業を目指したいと考えるようになりました。そこで、サステナビリティを意識し、会社としてSDGsに取り組みたいと思うようになったのです。